リズム感が記憶力を向上させる?
私たちが小さい頃、習い事と言えば習字や水泳、ピアノやエレクトーンといったものが主でした。
しかし、現在は多種多様な習い事を目にします。
選択肢が増えたことは非常に良いことですが、どの習い事も興味深く、
悩みが増えたというのも正直なところではないでしょうか。
今回は、以前から変わらず現在も人気の「音楽系の習い事」にフォーカスして、
リズム感と記憶力の関係をご紹介します。
以前からピアノは脳に良いと言われています。
人間の脳を「灰白質」と呼ぶことがあります。外からみた脳は大部分が灰色だからです。
ですが、脳には「白質」と呼ばれる白い部分もあり、
白質は神経の伝達スピードと強度に深くかかわっています。子どものうちからピアノの
練習を続けると、この白質の密度が平均よりも高くなることがわかっています。
勉強とは、理解と暗記を繰り返すことで自分の世界を広げていく作業です。
白質の強度を高めることは、その作業をスムーズに継続するための下地
(いわゆる地頭)をつくることにもつながります。
また、ピアノやもう少し小さな子であればリトミックや太鼓等で養われた
リズム感は記憶力・暗記力に大きく関わっています。
リズムは反復作業になくてはならないものと言われ、脳科学の面からも
リズムを刻むことで反復作業がしやすくなることがわかっています。
リズムに乗りながら音読したり手を動かしたりすることで、脳にはセロトニンという
物質が分泌されます。セロトニンにはリラックス、
また集中しやすくしてくれる効果があります。
そのため、暗記のための退屈な反復作業が「リズムを刻む」ことによって
すっと頭に入るだけではなく、集中して行うことができるようになるそうです。
「鳴くようぐいす平安京」などの語呂合わせや九九の暗記、歌の歌詞などが覚えられる
のもこのリズムのおかげです。
お坊さんが唱える長いお経も木魚のリズムのおかげで覚えられるそうです。
この木魚のように外から私たちをリードしてくれるリズムがあることで、
楽に記憶をすることができるそうです。
現在、「メトロノーム暗記法」というのが注目され、
障害者施設や学校、教習所などいろいろな所で活用されています。
スマホアプリのメトロノームがダウンロード数を伸ばしており、
それを鳴らしながら暗唱したり紙に書き込むだけで暗記がスムーズに出来ると言われています。
メトロノームを利用した集中法は色々と研究されていて、
「116のテンポ」が脳波と共鳴し、α2波が出やすくなるそうですが、
すべての人にこのテンポが良いとは限りませんので、
自分の集中しやすいテンポを設定しましょう。
日常でリズムを意識することはあまりありませんが、テンポに合わせると
掃除や作業効率も上がると言われていますので、
リズムを利用した生活をしてみるもの良いのではないでしょうか。