元野球選手 松井秀喜から学ぶ一流選手の条件
「高校3年、最後の夏の甲子園、5打席連続敬遠」というキーワードで思い出される選手と
言えば松井秀喜選手。この出来事は、当時の高野連を動かし社会問題にまで発展しました。
相手高校の明徳義塾監督・馬淵史郎氏は試合後、「(星稜高校の練習を見て)高校生の中に
一人だけプロの選手が混じっていた」とコメントする程、ずば抜けた選手だったようです。
ドラフトでは異例の報道規制が敷かれ、記者やカメラマンの多さが伺えました。
巨人入団後はゴジラの愛称で親しまれ期待通りの活躍をし、
メジャーへ渡り日本を代表するメジャーリーガーとしてその名をはせました。
松井選手が人の悪口を言わないというお話を聞いたことはありませんか。
これは、伊集院 静さん著の「松井秀喜の美しい生き方」の中のお話です。
伊集院さんの「君の周囲の人から聞いた話だけど、君は人の悪口を一度も口にしたことが
ないそうだね」という問いに「野球選手になろうと決めてからは一度もありません」と答えています。
中学2年時、家で夕食をとっている中、松井少年が友だちの悪口を言いました。すると、
松井少年の父が夕食を食べるのを中止して
「人の悪口を言うような下品なことをするんじゃない。今、ここで二度と人の悪口を言わないと
約束しなさいと…」と言い、松井少年はそれ以来、人の悪口を言っていないそうです。
しかしながら、伊集院さんの「悪口を言いたくなる時はないの?」という質問には「山ほどあります」とニヤリと笑い、人間らしさも見せたと言います。
また、松井選手を中学時代から追いかけているスポーツジャーナリスト達も彼から
人の悪口を聞いたことがないと言います。
「人の悪口を言わない」と小さい頃から教えられましたが、実際にはなかなか
出来ることではありません。
まして、中学生や高校生の多感な時期に、人の悪口を言わないというのは
本当にすごいことだと思います。しかし、それが周りからの信頼を獲得し、
力を貸してくれる人を集め、
良い運さえも引き寄せるんでしょうね。スポーツだけではなく、どんな分野でも
嫌われ者では一流になれません。
一流になるには、自分の力だけではなく周囲の力が必要だからです。
「応援したい」「協力したい」と思わせる人間性がなければ、
良い環境、良い仲間には恵まれません。
人間、最後は人間性の勝負です。一流になりたければ、
一流の人間性を求めていかなければいけないのかもしれません。