2016年、最大11.5ゲーム差をつけられながらも、逆転につぐ逆転の末、
念願の日本一を手にしたプロ野球北海道日本ハムファイターズ。
話題の中心は投手と打者の「二刀流」で大活躍した大谷翔平選手に集まりましたが、
同時に、栗山英樹監督の指導力というものも注目されました。
監督就任直後から栗山監督の「栗山イズム」は話題を集めています。
栗山イズムの特徴は、「人事掌握を自分で行う」ことと「コミュニケーションの量」です。
つまりは、コーチという指導者がいても、監督は指揮官として選手一人一人と
直接話しコミュニケーションを取ります。
キャンプインの元日初日から毎日選手とともに時間を過ごし、一対一で対話をします。
これには、若い選手は恐縮と同時に感動し、
「僕のような下っ端にまで、監督が連日声をかけてくれるなんて信じられません。
監督が見てくれていると思うだけで、
『がんばるぞ!』と俄然ヤル気がでてきます」と話しています。
こうしたコミュニケーションの中で、選手一人一人のしたい事、または
もどかしい思いや悔しさ等を共有しています。
また、こんなエピソードもあります。
打率低迷で解雇も覚悟していたレアード選手に対し、監督は
「君のプレーをビデオで入念に見て、絶対に活躍できると確信して日本に呼んだ。
君は必ずやれると思っている。これからも使い続けるのでそのつもりで頼む」と、
また、主砲中田選手が打撃不振で自ら2軍行きを志願しようとした際には、
「もう一回、一から頑張ろう。翔で勝負してダメだったら俺は納得できる」と声をかけました。
これは、クビを恐れてプレーに集中できなくては力を発揮できないと思った指揮官の
、期待感を込めた激励でした。
栗山イズムを一言で表すなら、「信じる力」ではないでしょうか。子育てやマネージメント、
ひいては人間関係におけるコミュニケーション全般に必要なことであり、基本がこの信じることです。
「気にかけてくれる」「思いを共有してくれる」「信じてくれる」、こういったことが
人の力を最大に伸ばし発揮させてくれます。
我が子を常に気にかけ褒め叱る親、苦楽を共にし思いを共有してくれる指導者、
期待を込め信じてくれる上司、こんな環境こそが本当の力を発揮する為のスタートラインで、
本当の勝負はそこからです。どこまでも信じ声をかけ続けていく、
その継続がその人のとてつもない力を引き出すのです。