先日、地域の子ども達と一緒に、畑でハロウィン用の
かぼちゃランタンを作りました。
お天気にも恵まれ、子ども達は大きくて硬いかぼちゃを削るために、
指や手にケガを負いながらもワイワイ楽しそうに目を輝かせていました。
私自身、久しぶりに畑に出て土にまみれた作物に触れることで、心が
リフレッシュしたのを感じずにはいられませんでした。
このような自然体験教育の取り組みは各自治体や子供会、
または各家庭で行われていると思いますが、実際に、
子ども達にどんな影響を与えているのでしょうか。
アメリカの海洋生物学者であり作家のレイチェル・カーソンは、
子どもたちに生涯消えることのない
「センス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目を見はる感性)」
を持たせることの重要性を訴えています。
子どもたちが出会う事実ひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、
さまざまな情緒や豊かな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌。
子ども時代は、この土壌を耕す時となのです。
カーソンはさらにセンス・オブ・ワンダーは
「やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、私たちが自然という力の源泉から
遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する解毒剤」
になるということも述べています。
国立青少年教育振興機構では、自然体験を通して得られる自尊感情、共生感、
意欲・関心、規範意識、人間関係能などを「体験の力」として調査すると、
幼少期から中学生期までの体験が多い高校生ほど思いやり、やる気、
人間関係能力等の資質・能力が高い、という結果を得ています(*)。
さらに小学校低学年までは友だちや動植物とのかかわりの体験が、
小学校高学年~中学生までは地域活動、家族行事、家事手伝い、
自然体験等の体験が「体験の力」の高さにつながる、という結果を得ています。
このように、自然体験は、人間が持っている五感を刺激し、
好奇心をはぐくみ、感動を知り、豊かな感受性の発達を促す効果があります。
また、豊かな自然体験は言葉と想像力を高めます。それは
文章力やコミュニケーション能力に現れ、
生き生きとした文章が書けたり、豊かな言語能力は自分の気持ちを相手に伝えたり、
相手の気持ちを想像する力になります。
太陽、水、土、泥、緑等といった身近なものにふれることも立派な自然教育だそうです。
たまには、子ども達と外に出て、小さな虫の命に自分の命を重ねてみるのも楽しそうですね。
(*)「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」(2010年10月)より