◆ピーターの法則

理と法則って、リアルな社会の中から生まれてくるものです。
心理学用語でなく、法則といわれるものです。

ピーターの法則
1969年に南カルフォニア大学・
 教育学者のローレンス・ピーターが発見した法則です。
 ①の法則・・・能力の限界まで出世すると有能な人も無能な管理職になる。
 ②の法則・・・無能な人は今の地位に落ち着き、有能な人は無能な管理職の
          地位に落ち着く。各階層は無能な人で埋め尽くされる。
 ③の法則・・・組織の仕事は、出世余地のある無能レベルに達していない人によって遂行される。

ピーターの法則では、
・人は昇進を続けると、いつか能力の限界まで到達して、
 無能になってしまうと言うのです。

例えば、ある工場に有能な工員がいたとして、信頼も厚く、
上司の受けもよかったので、班長に出世する。
でも班長の仕事は、人の管理とかスケジュールの調整で、
直接専門職に入るわけでない、いつしか現場とは離れ機械を直接いじらない。
それどころか、聞こえの良いスケジュール立てて現場に押し付ける。

もちろん班長に昇進しても仕事ができる人もいます
同じ理屈で有能な班長が、有能な工場長に、ハマルとは限らない。
有能な工場長が、特性を生かして有能な所長になるとは限らない…と
いうです。

会社のシステムの中に組み込まれて
いつしか、(金太郎飴)同じ顔になっていると、
こんな感じで、組織のなかで有能な人はどんどん昇進していく
いつか無能になるところまで到達して、

そこでピタッと昇進が止まる。
そして、いつしか上司のポストは、無能な状態で止まった人で埋まってしまう。
という・・・【ピーターの法則】なのです。

少し過激な法則です。
名選手、名監督にあらず(これはある意味、体力的にしかたないものの)
有能なプログラマーも、マネーシャーになる事で、
それなりには業務は廻すものの
本来オンリーワンとしても発揮できる可能性があった、
実力が発揮できない。

ピーターの法則を打ち破るためには、わかった上で
その場その場の、役割が求める価値観と仕事を理解し、
自分の価値観とのすり合わせする事が必要になるのでしょうね。

自分は何によって社会で活かされるべき人材なのか、
自分の価値観に根ざしたものがあるならば、
勇気を持って「創造的無能」宣言が出来るはずだというのです。

アメリカでは、優秀な人材は大学を出て起業するといいます。
就職しても、ものすごい有能な人は組織のルールを超えて能力を発揮してしまう。
変化を嫌う人からの、吊るしあげに会う!?

従来のやり方を否定(改善)したり、自己流のやり方で成果をあげる、
会社では、組織からみると「はみ出し者」で、なかなか昇進しません。
そのうち転職とかで組織を飛び出してしまうか、腐って自滅してしまう。
と、ピーターは言います。

というわけで、本の中でピーターさんは
一芸に秀でた「創造的無能」という手段を
 伝授しているのです。
受け入れるか、入れないかは別にして、面白い本です。

こうゆう時代には、いろいろな価値観をもった人が出てきても、
いいという事でしょうか・・・。

日本人も、足を引っ張るだけではなく、
自分も自分と向き合って、一緒になって皆で、成功していく、
そんな社会・文化が、時代を面白くさせていくようです。

 

アンディー・ノブ

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