野球選手イチローに学ぶ体作り
イメージを使った(メタ)コミニケーション
日本球界、メジャーリーグと野球界で多くの記録を樹立してきたイチロー。
プロ野球入団時、彼の型破りなスイングスタイル
「振り子打法」にプロでは通用しないと批判的な人も多くいました。
しかし、彼はそんな世間の声をものともせずスーパースターになりました。
安打製造機と呼ばれるイチローは「体力テストをすると、
スピードも筋力も平均の選手」だと言います。
体が小さく筋力が少なかったからこそ、大きく前後に体重移動をしてスイングする
「振り子打法」が必要だったのです。
メジャーリーグでは、手元で変化させる球種を持つ速球派投手が多かった為、
前後に体重を移動させていた打法を、上半身を大きくねじらず上下に移動させる打法に変え、
短いタイミングで合わせられるようにしました。
ここで大事なことは、筋力や年齢、環境に合わせて打法を変える際に、
頭でイメージした通りの動きができるかどうかということです。
野球に限らず、スポーツ全般に言えることですが、大事なことは
「自分の思ったように体を動かせること」です。これは普段の生活にも言えることです
。飛び越えられると思った柵が越えられなかったという経験はありませんか?
頭でイメージしていたことが実際にできなければ、
いくら体が大きく強くてもあまり意味をなしません。
子育てをしながら、「この子にどんな運動をさせたらいいんだろう?」
と悩んだことのある親御さんもいらっしゃると思います。
これから取り組むスポーツとその子の体によって、
筋力、瞬発性、柔軟性、持久力と必要なことは様々だと思います。
しかし、体がしっかりするまでは、自由な発想の中で自由に遊ぶことで
「こんな動きをすると、体はこんなふうに動くのか」という経験を多くし、
体の動かし方を学ぶことが大切になります。そうすることで、
今後、筋力や年齢等の体の変化にも対応できる体の基礎部分が構築できます。
ちなみに、イチローは筋トレを否定しています。それは、
イチロー自身が筋トレで筋力をつけた結果、
「体がまったく動かない」という経験をしたからです。
イチロー曰く、
「野生のなかでライオンは筋トレをしない。筋トレをせずとも日常の動きで
必要な筋力がつくからこそ、餌を確保することができる。」ということで、
人間もこれと同じ理屈だというのです。これには賛否あると思いますが、
選手育成などではその選手によって必要なことが変わってきますので、
その選手が「イメージ通りに体を動かす為に本当に必要なこと」
を見極めてあげることが、指導者に求められます。