◆自己効力理論

高校時代にイチロー選手が、メンタルトレーニングを受ける中で
いくつか質問されたそうです。

これが期間をあけて2回実施され、ある程度ばらつく回答の中で
1問、失敗に恐れをかんじる?
という問いに2回とも、まったく感じないと回答されたと言うのです。

そこで思い出したのが
●自己効力感 という心理学用語です。
カナダ人心理学者アルバート・バンデューラが提唱したもので、

自己効力感は、社会的認知理論の中核となる概念。
ある具体的な状況において、適切な行動を成し遂げられるという
確信、自己に対する信頼感や有能感のことを言います。

人がある行動を起こそうとする時、自分が行動目的を達成できる
予測の程度・自信によって、その後の行動は左右されるというのです。

「オレは、ここまで出来る」という思いが行動にもつながります。
練習への取り組みや、困難な課題、強い相手への挑戦。
ある課題を与えられた時に、自己効力感の高い人は
「よーし、やってやるぜー!」
と、チャレンジが出来、その後の行動・達成につながるというのです。

一方、自己効力感の低い人は「その課題は自分にはできないかもしれない」
と尻込みする傾向があり、その後の行動・結果にはつながらない。

行動を起こすためには、
自己効力感というステージをクリアしなくては、ならないとも言えるのですね。
自己効力感を生み出す基となるのは、
(過去の達成経験)・自分が何かを達成、成功した経験から⇒自己効力感が定着
(代理経験)・他人が達成したのを観て「自分にもできそうだ」と予期
(言語説得)・言語で何度も達成を説明される、言葉による励まし
(生理的感情的高揚)・赤面や発汗がない自信が生る、薬物やアルコール他の要因により高揚する
(イメージ体験)・成功の疑似体験・イメージトレーニング。

NLPでは、この原理を応用して
意図的に、リソースフルな状態をつくりあげていきます。

天才は、高い自己効力感を、
自分のものとして、行動と結果につなげているのですね、
そして、
周囲からの的確なサポート、環境を引き出していきます。

結果、自己効力感が増大するに伴い
どんどんと新境地へ、前向きに挑戦していけるのです。

その背景には、
根本的に、自己効力感の存在があるということです。

 

 

関連記事

  1. ◆パーパス・エンジニアリング

  2. 学習無力感のメカニズムと克服法

  3. 外発的動機づけのメカニズムを活用!

  4. “沈没費用の誤謬:過去の投資に囚われない心理学”…

  5. ◆希少性の原理

  6. “ソーシャルローフィング:チームワークの敵と対策̶…

  7. ◆アサーティブ/アサーティブネス

  8. ◆センス・オブ・ワンダー