近年150キロを投げられる高校生が増えたのはなぜ?
10年、20年前の高校生に比べて最近の高校生は150キロを投げることも
珍しくなくなってきました。
昔は140キロを投げられることがステータスになっていましたが、
今はそれでは誰も驚かないでしょう。
なぜ近年の高校生はスピードアップに成功したのか、その謎について迫ってみました!
体格は実はほとんど変わっていない?
最近の高校生がスピードが出るようになったのは、
「体格が良くなったから」という声をよく聞きます。
確かに昔に比べれば体格は良くなっているのですが、
それは30年も、40年も前と比べた場合の話。
ここ10年、20年の話では、実は体格はそれほど変わっていないんです。
下記は、文部科学省が行った学校保健統計調査の結果です。
そこに男子学生の平均身長が記されています。
1975年:168.8cm
2000年:170.8cm
2008年:170.7cm
2014年:170.7cm
(17歳の男子学生対象)
昔に比べれば平均身長が伸びているものの、ここ数年はほとんど変化がありません。
つまり「体格だけでスピードアップした」と結論づけるのは間違っていると言えます。
ピッチングフォームの向上
高校生の球速が上がった理由として、
ピッチングフォームの質が上がったことが挙げられます。
現在はしっかりと投球解析できる環境が整い、
それに伴って的確な指導ができる環境になってきました。
どのような体重移動をすればよいのか、どのような関節の使い方をすればよいのか、
スムーズな腕の振り方、足の動かし方がわかるようになって、
それを指導できる環境になったのが大きいです。
指導するときは学生に肩甲骨の形や関節の形、骨盤の形などを理解させ、
それに適した可動域などを伝えることで無理のない
ピッチングフォームが実現できるようになっています。
ウエイトトレーニングの導入
ピッチングフォームと並んで重要なのがウエイトトレーニングです。
この2つを的確に行うことができれば、特段優れた身体能力がなくても
140キロ程度までなら可能という意見も多いです。
ウエイトトレーニングは、例えばダルビッシュ投手や大谷投手なども
実践してスピードアップに成功しています。
両投手ともプロに入ってから5キロから10キロほどのスピードアップしています。
トレーニングの一環として肩周りの筋力を鍛えることで、
腕の振りを速くする筋力がアップします。
昔は成長期の学生に筋力をつけることは好まれない傾向がありました。
しかし今は的確なウェイトトレーニングを行えば成長期の体に
負担をかけることなく、筋力をアップできることが実証されていて、
導入する高校も増えました。
それが近年のスピードアップにつながっていると言えます。
140を越えるとコミットの力を使っていきます。