心理学メンタルコーチング・武士道に学ぶ5つの軸と8つの習慣

【サウナ・瞑想・自然】なぜ今惹かれるの?「それ、全部つながってます」頑張るあなたの心を守る『SBNRの正体』

【第1章】なぜ今、この悩みが増えているのか

毎日、本当にお疲れ様です。 朝起きてから夜眠るまで、
私たちは常に何かに追われています。

仕事のチャット通知、終わらないタスクの山、 そして家に帰れば、
家族や子どものために動く時間。 ふと気づけば、

「自分自身の深い呼吸」を忘れてしまっている
そんな日はありませんか?

最近、サウナに行ったり、お風呂にゆっくり浸かったり、
あるいは少しだけ早く起きて白湯を飲み、静かに座る時間をとる。 そうした

「心身の心地よさ」やマインドフルネスを大切にする人が、
年代や職業を問わず、とても増えています。

特定の宗教を熱心に信仰しているわけではないけれど、
「目に見えない心の安らぎ」や「精神的な整い」は必要としている
この感覚は、決してあなただけのものではありません。

実は今、世界中でこうした価値観を持つ人々が急増しており、
彼らは、「SBNR(Spiritual But Not Religious=無宗教型スピリチュアル)」
と呼ばれ、心理学や社会学の分野でも大きく注目されているのです。

「なんだか最近、すごく疲れているな」
「ただ静かに、頭をからっぽにする時間が欲しいな」

あなたがそう感じるのは、決して心が弱いからではありません。
情報が溢れ、常に「正解」や「効率」を求められる現代社会において、
あなたの脳と心が、本能的に「余白」を求めている正しいサインなのです。

どうか、休むことに罪悪感を抱かないでください。
「何もしない時間」を求めるのは、あなたがこれまで、 誰かのために、
あるいは社会のために、一生懸命走り続けてきた証拠なのですから。

今日から少しずつ、SBNRの習慣、一緒に心の荷物を下ろしていきましょう。

【第2章】心理学的に何が起きているのか(理解)

なぜ私たちは、サウナや瞑想など「何もしない時間」を求めるのでしょうか。
実はこれ、単なる気まぐれではなく、脳が発しているSOSサインなのです。

心理学と脳科学の世界には、
「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という重要な概念があります。

これは、私たちが「ぼーっとしている時」にだけ活発になる、脳の回路のことです。

車に例えてみましょう。 信号待ちで停まっている時も、
車のエンジンはブルブルと動いていますよね。 人間の脳も同じで、

何も作業をしていない時でも、エネルギーを激しく消費しています。 なんと、
脳が使う全エネルギーの約60〜80%が、このアイドリング(DMN)に使われているのです。

アメリカのブラウン大学(Brown University)マインドフルネス・センター所長である、
ジャドソン・ブルワー博士(Dr. Judson Brewer)らの研究チームは、
このDMNと「心の疲れ」の深い関係を明らかにしました。

ブルワー博士の研究によると、私たちが不安や疲労を感じている時、
このDMNが「暴走状態」に陥っているといいます。

「あの時、ああ言えばよかった」
「明日の仕事、失敗したらどうしよう」 過去の後悔や未来の不安が、

頭の中でぐるぐると自動再生されてしまう。
あなたも、夜のベッドの中でそんな経験をしたことはありませんか?

この「脳の過剰なアイドリング」を強制終了させるスイッチ。 それこそが、
◆サウナの熱さや水風呂の冷たさを身体で味わうことや、
◆マインドフルネスで「今ここにある呼吸」にただ意識を向けることなのです。

ブルワー博士らの脳波研究では、瞑想やマインドフルネスを実践している時、
このDMNの活動が、目に見えて静かになる(非活性化する)ことが証明されています。

つまり、あなたがサウナで「ととのう」感覚を求めたり、 静かに座って
深呼吸をしたくなるのは、決して現実逃避ではありません。

熱を持った脳のエンジンを静かに冷やし、本来の自分を取り戻そうとする、
とても理にかなった「自己治療」なのです。

「何もしない時間」は、サボりではありません。 今日を生き抜いたあなたの
大切な脳を守るための、尊いメンテナンスなのです。

ここで、SBNRがつながる

SBNRの人たちがやっていることは、実は共通しています。

・瞑想 → 今に戻る
・サウナ → 感覚に集中する
・自然 → 思考を手放す

つまりすべて、「DMNを静め、自己距離をとる行動」なのです。

【第3章】最新研究(論文)紹介

あなたがサウナや自然の中で感じる「心地よさ」。 それは気のせいではなく、
科学的にも素晴らしい効果があると証明されています。

ここでは、あなたの感覚が正しいことを裏付ける、
世界的な大学や機関の最新研究を3つ、わかりやすくご紹介しますね。

1.「大自然やサウナが、心と体の炎症を鎮める」

■ 研究者・機関: ダッチャー・ケルトナー博士(カリフォルニア大学バークレー校 心理学部)
■ 研究テーマ: 「Awe(畏敬の念)」がもたらす心身への効果

ケルトナー博士は、私たちが大自然や圧倒的な体験に触れたとき、
心の中に生まれる「Awe(オウ=畏敬の念、言葉を失うほどの感動)」を研究しています。

研究によると、大きな木を見上げたり、大自然のサウナで風を感じたりすると、
「自分のちっぽけな悩み(エゴ)」が消え、体内の炎症レベルまで下がることがわかりました。

さらに、不思議なことに「時間的な余裕」を感じられるようになり、
人に優しくなれるという、驚くべきデータが報告されています。

2.「特定の宗教がなくても、心は確実に守られる」

■ 研究者・機関: ローレン・ヒックマン博士ら(セント・トーマス大学 心理学研究科)
■ 研究テーマ: SBNR世代におけるスピリチュアリティとメンタルヘルス

伝統的な宗教を持たない現代の若者(ミレニアル世代のSBNR)が、 どのように
心の健康を保っているかを調査した画期的な論文です。

特定の神様を信じていなくても、マインドフルネスや瞑想を通じて、
「自分より大きなものとのつながり」を感じる時間を持つこと。 それだけで、
不安やストレスに対する強力な「心の防波堤」になり、 メンタルヘルスが
大きく向上することが実証されました。

3.「優秀な人ほど、自然とのつながりを求めている」

■ 機関・データ: ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)などによる社会学調査
■ 研究テーマ: アメリカにおけるSBNR層の拡大とその特徴

世界的な調査機関のデータや、社会学の分析によって明らかになった事実です。
現在、アメリカなどで「SBNR(無宗教型スピリチュアル)」を自認する人は急増しています。

そして興味深いことに、彼らは単に疲れているから逃げているのではありません。
高学歴で、ビジネスの最前線で活躍し、社会的な責任を背負っている人ほど、
「自然との深いつながり」や「静かに呼吸する時間」を意図的に確保しているのです。

いかがでしょうか。 あなたが「ただ静かな時間」や「サウナでのととのい」を求めるのは、
決して現実逃避でも、サボりでもありません。

最前線で頑張るあなたの脳と心が、科学的に最も正しい休息を選び取っている。
どうか、その自分の感覚を信頼してあげてくださいね。

サウナはストレス耐性と幸福感を高める

■ 研究 Jari A. Laukkanen ら(2018)
■ 研究機関 東フィンランド大学(University of Eastern Finland)
■ 論文 “Sauna bathing is associated with reduced cardiovascular
mortality and improved well-being”
https://doi.org/10.1016/j.mayocp.2018.01.014

■ 要約 定期的なサウナ習慣は、
・ストレス軽減
・リラクゼーションの向上
・幸福感の増加と、関連していることが示されました。

また、心拍や自律神経の調整を通じて、
心身の回復力(レジリエンス)を高める可能性も示唆されています。

つまり・・・「ととのう」は単なる流行ではなく、
身体から心へ働きかける回復システムなのです。

 

【第4章】東洋哲学はどう捉えていたか

最新の心理学や脳科学が、「頭をからっぽにする時間」の重要性を証明し始めた現代。
しかし、東洋の賢人たちは、何百年も前からその答えを「体感」として知っていました。

禅の世界に、
「調身(ちょうしん)・調息(ちょうそく)・調心(ちょうしん)」
という大切な教えがあります。

これは座禅を組むときの基本であり、文字通り
「まず姿勢(体)を整え、次に呼吸を整えれば、自然と心は整う」 という法則です。

現代を生きる私たちは、真面目で責任感が強いからこそ、 不安や焦りを感じたとき、
つい「心(メンタル)」だけで解決しようと頑張ってしまいます。

「ポジティブに考えなきゃ」「もっと強くならなきゃ」と、
見えない心と直接格闘して、余計に疲弊してしまうのです。

しかし東洋哲学は、私たちにこう静かに語りかけます。
「心という形のないものは、直接コントロールできないよ。
だからまずは、触れることのできる『体』と『呼吸』からアプローチしなさい」と。

特定の宗教を信じていなくても、あなたがサウナで体を芯から温め(調身)、
水風呂のあとに外気浴で深く息を吐き出すとき(調息)。 あるいは、
朝の冷たい空気の中で、ただゆっくりと白湯を飲むとき。

それは、無意識のうちに
禅の「調身・調息・調心」という古来の叡智を、
現代のやり方で実践している
のと同じなのです。

SBNR(Spiritual But Not Religious)という言葉には、
「宗教(Religious)」という枠組みは手放しても、 人間が本来持っている

「魂の心地よさ(Spiritual)」は大切にしたい、 という現代人の切実な願いが込められています。
あなたが「ただ、ぼーっとしたい」「自然の中に行きたい」と願うのは、決して逃げではありません。

情報でパンパンになった頭を休ませ、 「考える」状態から、「ただ存在する」
状態へと、 自分自身の命をチューニング(調律)し直しているだけなのです。

だから、どうか安心してください。 休むこと、何もしないことを、
自分に許してあげていいのです。

武士道における「平常心」

『葉隠』や武士道の思想では、こんな考え方があります。
「常に平常心であれ」これは冷静でいろ、という意味ではありません。

どんな状況でも、
本来の自分の状態に戻れることを指します。

◆サウナで整う感覚。 
◆呼吸に戻る瞑想の時間。
これらはすべて、意図的に平常心へ戻る訓練とも言えます。


論語の視点:「足るを知る」

孔子の思想にも、ヒントがあります。
足るを知る者は富む

これは、現代的に言い換えると──
「満たされる条件を外に求めすぎない」ということ。

私たちはつい、
・もっと成果を・もっと評価を・もっと安心を
と外に、結果や目的を取りに行きます。

でもSBNR的な行動は逆です。

サウナ、瞑想、自然──それらはすべて、

「すでにある感覚に戻る」本来の自分に、
天命に気づく、
きっかけになる、行為なのです。

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