先日は、ある神社で能楽を鑑賞してきました。
なんとも言えない、間合いと呼吸、洗礼された空間をつくりだす
その日本の伝統芸能。
私の能楽との出会いは、
世阿弥が記した言われる、能の理論書でもある「風姿花伝」。
私のメンターから進められ、30代の半ばに読んだのですが
「幽玄」「物真似」「花」といった芸(一芸を極める)神髄を語った
言葉と、表現、エンジニアとして技術の世界で極めていく過程は、
スポーツにおいても、とても感動とともに道心を学べる本でもあります。
神をも楽しませるというその「能楽」、それを演じる能楽師、
「能面」の角度で、その一瞬一瞬の喜怒哀楽を表現
静寂の中、静中の中の動を、観客がそのストーリーを感じとるのです。
その言葉にならない、この神聖な空間がいいのですね。
でも、これは内面を刺激する情報があるから
楽しめるわけですが、
写真や、その一瞬一瞬の画像を見ただけで、人が(勝手に?)
意味をつくりあげる現象を、クレショフ効果といいます。
レフ・クレショフ(1899~1970)は、ソ連の国立映画学校の教師でもある
クレショフが行ったモンタージュの実験は有名で、
彼は古い劇映画の中からクロース・アップの映像を抜き出し、
それを様々な映像とつなぎ合わせてみせた。
同じ役者が演じている、同じ場面であっても、
その後につながる映像が違えば、観客が受ける印象やストーリーは変わったくる
というもの。
クレショフ自身、四大巨匠の一人と称されるほど、
映像・映画界にも影響を残した人物でもあるのです。
彼の弟子でもある、プドフキンはその
考えを発展させて、独自のモンタージュ理論を生み出しました。
アンディー・ノブ