“固定マインドセットの克服:解説と応用

第1章:固定マインドセットの研究と現象

「固定マインドセット」は、自分の知性や能力が固定的で、大幅に改善することはできないと
いう信念を指します。
この概念は、心理学者キャロル・ドゥエックによって提唱されました。彼女は、
人々が自己の知性や能力について持つ信念が、学習行動や成果に大きな影響を
与えることを発見しました。

面白い社会現象としては、この「固定マインドセット」が教育や職場環境に
どのように影響を与えるかが挙げられます。例えば、固定マインドセットを持つ
学生や選手は、困難な課題に直面したときに挫折しやすく、
新しいことを学ぶ機会を逃す可能性があります。
また、固定マインドセットを持つ経営者は、失敗を恐れて新しい
ビジネスチャンスを逃す可能性があります。

◆固定マインドセットについての研究は、多数存在しますが、
その中でも特に、注目すべきいくつかを紹介します。

  1. “Mindsets That Promote Resilience: When Students Believe That Personal Characteristics
    Can Be Developed” by Yeager, Dweck, et al. (2012)
    この研究では、学生が自己の特性(知性や能力)が発展可能であると信じる
    「成長マインドセット」が、困難な状況におけるレジリエンス(心理的回復力)を
    促進することが示されています。一方で、自己の特性が固定的であると信じる
    「固定マインドセット」は、困難な状況に直面したときに挫折しやすくなると報告されています。
  2. “Implicit Theories of Intelligence Predict Achievement Across an Adolescent Transition:
    A Longitudinal Study and an Intervention” by Blackwell, Trzesniewski, Dweck (2007)
    この研究では、知性の「固定マインドセット」が学業成績にどのように影響するかを
    調査しています。結果として、固定マインドセットを持つ生徒は時間とともに
    学業成績が低下する傾向があることが示されました。一方、
    成長マインドセットを持つ生徒は学業成績が向上する傾向がありました。

これらの研究を簡単に説明すると、「固定マインドセット」は、自分の知性や能力が固定的で、
大幅に改善することはできないという信念を指します。このマインドセットを持つ人々は、
新しい挑戦を避け、失敗を恐れる傾向があります。なぜなら、それらは自分の能力の限界を
露呈する可能性があるからです。

一方、「成長マインドセット」は、知性や能力は時間と努力をかければ発展可能で
あるという信念を指します。このマインドセットを持つ人々は、新しい挑戦を受け入れ、
失敗から学ぶことを恐れません。

これらのマインドセットは、学業成績、職業達成、一般的な幸福感など、人生の様々な
側面に影響を与えます。特に、固定マインドセットは学業成績の低下や挫折感を
引き起こす可能性があります。それに対して、
成長マインドセットは学業成績の向上やレジリエンスの強化に寄与する可能性があります。

第2章:最新の研究論文

  1. “Does Interdisciplinary Creative Coding Boost Creativity? A Mixed Methods Approach
    ” by Arne Duyver, Wouter Groeneveld, Kris Aerts
    この研究では、ソフトウェアエンジニアリングの学生とグラフィックデザインの学生が
    クリエイティブなコーディング課題に取り組む中で、「固定マインドセット」が
    どのように影響を与えるかを調査しています。結果として、
    固定マインドセットを持つ学生は、デザインの学生が自分たちよりも創造的だという
    信念を持つ傾向があり、これがクリエイティビティに影響を与えることが示されました。
  2. “Virtual physics laboratory courses: An evaluation of students’ self-efficacy and
    intelligence mindset” by Meg Peters, Philip von Doetinchem, Sandra von Doetinchem
    この研究では、リモート学習環境下での物理学実験コースにおける学生の自己効力感
    と知性のマインドセットを評価しています。結果として、固定マインドセットを持つ
    学生と成長マインドセットを持つ学生との間で、自己効力感に大きな差が
    あることが示されました。

第3章:エンジニアや経営者への応用

固定マインドセットを持つエンジニアや経営者は、新しい挑戦を避け、失敗を
恐れる傾向があります。しかし、このマインドセットを変えることで、
新しいアイデアを生み出したり、新しいビジネスチャンスを掴んだりする可能性が
広がります。例えば、失敗を恐れずに新しいプロジェクトに挑戦することで、
新しい技術やサービスを開発する機会が生まれるかもしれません。また、
固定マインドセットを持つ経営者が成長マインドセットに変わることで、
組織全体の風土やパフォーマンスを改善することも可能です。

第4章:アスリートや、日常生活での活用

固定マインドセットは、アスリートや日常生活にも影響を与えます。例えば、固定マインドセット
を持つアスリートは、新しい技術を習得するのを恐れ、パフォーマンスの向上を
阻害する可能性があります。しかし、成長マインドセットを持つことで、
新しい技術の習得やパフォーマンスの向上を目指すことができます。また、
日常生活においても、新しいことを学ぶ機会を恐れず、自己成長を促すことができます。

第5章:注意点

固定マインドセットは、自己成長を阻害する可能性がありますが、それを
否定するだけでは解決しません。固定マインドセットを持つ人々に対しては、
自己の能力や知性は時間と努力をかければ発展することが可能であるという
メッセージを伝えることが重要です。また、固定マインドセットから成長マインドセットへ
の移行は一夜にして行われるものではなく、時間と努力を必要とします。
その過程をサポートするためには、継続的なフィードバックと、
コーチングによる対話が有効とされます。
5つと8つの習慣、TKIコーチング・他のサポートの準備もあります。
興味のある方は、ご連絡ください。

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